マリア様が覗いてる

出典:のだ駅百科事典

マリア様が覗いてるまりあさまがのぞいてる)は、散英社ニッケル文庫から刊行されている、古野大雪(ふるのおおゆき)原作による少女向けフィクション小説(ライトノベル)シリーズである。略称は「マリのぞ」。

概要

あらすじ

舞台は東京都多摩丘陵にそびえる伝統あるカトリック系高校・私立レレアン女学園高等部。そこには伝統的に、厳しい校則がなくとも規律正しい学園生活を送るように、先輩と後輩が「姉妹」として契約を結び、レレアンの生徒として恥じない行動をするよう、先輩が「お姉様」として「妹」である後輩を指導する「スール」という制度が存在していた。

そして、そのスール制度の維持・管理・統括に当たるのが学園生の有志で結成された組織「鬼百合会」である。一般の高校で言えば生徒会であるが、その権限は生徒会の比ではなく、教職員さえも迂闊に手出しは出来ない。それゆえ鬼百合会員には品行方正・成績優秀・容姿端麗であることが求められ、その幹部となるのは至難の業であると共に、一般の学園生からは常に一番の憧れの対象となる存在である。
そのような中で繰り広げられる生徒たちの愛と欲望と喧嘩と蜜月の物語、それが「マリア様が覗いてる」である。

物語は高等部に通う平凡な一年生、睦沢祐彌が、ある朝突然、憧れの先輩である古笠原さちこに制服の乱れを直されるのをマリア様に覗かれるところから始まる。

登場人物

★紅薔薇ファミリー

木野容子きの ようこ) (CV:笹原恵美)
鬼百合会最強の実力者にして実質的リーダー。品行、容姿、成績どれをとっても欠点がなく、的確な洞察力、冷静な判断力と計算し尽くされた華麗な行動が魅力のお姉様。ただ唯一の欠点は、シュークリームを見ると、突然「シュークリーム!サンダー!!!」と叫んで稲妻を落としてしまうこと。
本人は一般の下級生と親しくしたいのだが、その言動から「高貴すぎて近寄れないお姉様」の印象を植え付けてしまい、そのせいか「ほ〜ら、怖くな〜い、怖くな〜い」という寝言をよく発するらしい(セイ談)。
古笠原さちここがさわら さちこ) (CV:伊東美紀)
レレアン随一のわがままヒステリーお嬢様。祐彌の「お姉様」で玲と同学年、現紅薔薇様である。一見、長髪でエレガントな雰囲気だが、良くも悪くも体の芯からのお嬢様体質で、その捻じ曲がった性格からお姉様方からからかわれることが多い。一方で性格のことなど知らない一般生徒からは熱烈に愛され、本人も対処に困るほど。祐彌のことは誰よりも愛しているが、それを素直に態度に表せず、のちに鬼百合会をも巻き込んだ激しい戦闘を勃発させてしまう。口癖は「はしたない真似はおやめなさい!」
睦沢祐彌むつざわ ゆみ) (CV:上田佳奈)
本作の主人公的存在で、古笠原さちこのプティ・スール。ごく普通の一般家庭に生まれ、おっとりした性格で、容姿・学業成績は人並みであり、レレアンの中でも特に一般人離れした側面を持つ人物の多い鬼百合会の中では異色の存在である。入学当初、さちこに一目惚れしたものの、祐彌自身は自分にはそぐわない雲の上の人だと考えていた。が、全く思いもかけない展開から祥子のプティ・スールとなる。さちこと姉妹関係になったあとも、自分はさちことは不釣合いだと悩んでおり、さちこも祐彌も愛情表現が上手く出来ないこともあって、その悩みは鬱積する一方であった。これに耐えられなくなった祐彌は2年生の折、さちこに宣戦を布告、鬼百合会を真っ二つにした36日間の激しい戦闘が勃発する。この戦闘はのちに『6月のレレアン大戦』と呼ばれる。これに卒業生であるにもかかわらず参戦した前黄薔薇様である衿子からは「面白そうじゃない。私にも戦わせて」というレレアン史に残る迷言が生まれる。
ちなみに下級生からは「庶民派アイドル」として慕われている。もちろん本人は全く気づいていない。

★白薔薇ファミリー

阿東セイあとう せい) (CV:豊山めぐみ)
相模子の「お姉様」で、容子、衿子とは同学年で親友。日本人離れした美貌(通称:白亜の石膏像)と人懐っこい性格から学園No.1の人気を誇る。かつては非常に人付き合いが苦手で自分の殻に閉じこもる性格だったが、詩織との恋愛や相模子との出会いによって次第に周りに心を開くようになる。ある意味開きすぎな部分も目立つようになってきた。祐彌にセクハラをする手の速さは重要無形文化財候補に上ったほど。高等部在学中に普通自動車免許を取得したが、運転技術は「(あずまんが大王の)ゆかり先生といい勝負」(祐彌談)らしい。
辻堂相模子つじどう さがみこ) (CV:能登川麻美子)
矩子の「お姉様」で現白薔薇様。神奈川県の湘南地区から遠距離通学している。温厚という言葉はまさに彼女の性格を現すために存在しているようなものだが、芯はしっかりとしており、女子高生らしからぬ落ち着きを見せる。天然ボケキャラかとなめてかかって痛い目を見た生徒の数は計り知れないほど。実家が寺で、住職の娘にもかかわらず、異宗教のレレアンに通うことには罪悪感を感じている。しかしながら、相模子の父が時折住職に相応しからぬ破天荒な行動に出るにもかかわらず、それを笑って見つめられるほど心が広い。
四条矩子しじょう のりこ) (CV:大清水香里)
大変な仏像好きの少女で相模子のプティ・スール。もともと滋賀県は大津の出身で、キリスト教には興味がなく、奈良県の仏教系の高校に進学する予定であった。が、受験日にこともあろうに京都駅から上りの「のぞみ」に乗ってしまい受験に失敗。その後、レレアン卒業生である叔母の差金もありやむなくレレアンを受験、入学する羽目になる。慣れない東京での生活と仏像好きの後ろめたさから学園になじめず孤立していたが、同じような境遇にある相模子に出会い、次第に心を開くようになる。レレアンには主席で入学するなど、方向感覚以外の頭脳はピカ一。基本的には冷静沈着で、鬼百合会の戦略参謀を務める。

★黄薔薇ファミリー

三鳥井衿子さんとりい えりこ) (CV:乾天目仁美)
醸造業で財を成した三鳥井家の一人娘。容子、セイとは同級生で親友。幼い頃からの英才教育を率なくこなしてきたこともあり、非常に要領が良い。が、何でも人並み以上に出来てしまうため、達成感を味わえずいつもつまらなそうな顔をしている。このため人にちょっかいをかけるのが好きで、さちこにいろいろと悪戯をしては容子に窘められてきた。黄薔薇就任後は一転して大人な対応を取り始め、鬼百合会の総元締めともいえる容子を支えてきたが、感覚的にずれているのは相変わらず。大の歯医者嫌い。ついでに耳鼻科も嫌い。
長谷蔵 玲はせくら れい) (CV:伊藤小静)
芳乃の「お姉様」で現黄薔薇様。仙台出身だが、生まれてまもなく多摩丘陵に引越し、両親は若島津家の協力を得て剣道場を開設する。芳乃とはその頃からのつきあい。先祖は仙台伊達藩の支倉常長と言われ、代々剣術を修めることを家訓としてきた。玲もそれに漏れず幼いころから剣の腕を鍛えられ、レレアンでは剣道部の主将を務める。高身長でボーイッシュな外見から『ミスターレレアン』の異名を持つが、実はお菓子作りや編み物が大好き。一つのことに嵌ると周りが見えなくなるタイプで芳乃べったりの思考回路からは時にとんでもない行動を生み出す。
若島津芳乃わかしまづ よしの) (CV:池沢秋菜)
玲のプティ・スール。祐彌、相模子とは同級生。もともと心臓系の疾患を抱えているため、行動は控えめ、なおかつおしとやかで礼儀正しく、学園では理想の妹像と賞賛されていた。が、実際は歴史小説やスポーツ観戦を好む負けず嫌いな性格で、手術で健康を回復すると遺憾なくその本領を発揮することとなる。その勝気な性格は彼女の発する台詞にも現れており、「こぉの、裏切り者ぉ!」「イケイケ芳乃、ゴーゴー芳乃!」はファンの間で絶大な賞賛を浴びた。
「お姉様」である玲とは距離を置いた関係を築こうとするが、非常にやきもち焼きで、心情面での玲への依存度は相当なものである。そのためか、玲を間に挟んで姉妹逆の関係である衿子とは時に敵意むき出しの対立関係となる。
同学年で初めてできた親友である祐彌とはとても仲がよく、セイに続いて祐彌への「第2抱き付き魔」になりつつある。

この作品を鑑賞する上での要点

※ この作品では「スール」という独特な制度が用いられており、それゆえ登場人物の呼ばれ方にも特徴がある。学園内では通常他人の名前を呼ぶ時に「苗字」を使わず「名前」だけで呼び合う。(例:×竹島さん→○辰子さん)
また、名前の後の敬称のつけ方にも決まりがあり、同級生の場合は「さん」、上級生の場合は「様」、下級生の場合は「ちゃん」が用いられる。(例:「さちこ様」「芳乃さん」「矩子ちゃん」)
ただし、姉妹関係を締結した間柄では異なり、妹が姉のことを呼ぶ場合は「お姉様」、姉が妹のことを呼ぶ場合は名前を呼び捨てにするのが通例とされているが、私的な場では例外も多く存在する。(例:矩子の「相模子さん」、芳乃の「玲ちゃん」など)


※ 「鬼百合会」の幹部は3名で、それぞれに「紅薔薇」「白薔薇」「黄薔薇」の称号が与えられている。このため鬼百合会幹部は学園内では一般に「紅(あか)いの」「白いの」「黄(きな)いの」と呼ばれている。この3名を総称して「薔薇様方」と呼ぶことが多い。
また、それぞれの「薔薇様方」と姉妹関係を締結した生徒は必然的に鬼百合会役員となり、姉(もしくは姉の姉)である薔薇様方の任務を補佐する役目を担う。このため、それぞれの薔薇様方の妹、およびその妹を総称して「薔薇ファミリー」と呼ぶ。
鬼百合会幹部は学園の一般生徒による選挙で選ばれる方式をとっているが、薔薇様方の妹は鬼百合会役員としての任務を果たしてきており、実績があること、及びレレアン女学園の性格上、鬼百合会員は薔薇様方の妹と言えど神格化され、一般生徒の崇拝の対象となっていることから、次の薔薇様方に必然的に選ばれる運びとなる。このため薔薇様方の妹を次期薔薇様という意味も込めて「つぼみ」と呼ぶ。一般には「紅いののつぼみ」と呼ばれたりする。

関連項目

この項目「マリア様が覗いてる」はまだ書きかけの項目ですが、調べものの参考にならない可能性が大です。むやみに信じ込まないようお願いします。

カテゴリ:小説|百合もの


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